取り組み
キセキのマグロプロジェクトでは、三崎に根付いた漁業に寄り添い、先人たちが積み上げてきた歴史を守り、後世に、素晴らしい資産を残すことを目指しています。
そこで、水産資源と海洋環境問題と向き合い、バランス良く調和できる形を作っていくことを命題としました。
この取り組みはSDGsの目標達成にも貢献するものと考えています。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、21世紀の国際目標として2000年にスタートしたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として2015年9月に国連で採択された17のゴールと169のターゲットからなる国際目標です。
農林水産省「SDGs×食品業界」
農林水産省によると、食品産業がSDGsに取り組む価値は3つあるといわれています。
1つ目は、事業を通じた「ビジネスの発展」の視点。
2つ目は、事業の将来を見据えた「リスクの回避」の視点。
3つ目は、SDGsの達成に貢献する「企業の社会的価値」という視点。
食品業界はSDGsの取り組みと切っても切れないものとなっており、企業の規模を問わず業界全体に広がる動きとなっています。
キセキのマグロの取り組み
食品ロスへの取り組み
冷凍マグロは解体する際、血合い・骨・一部の内臓などが廃棄され、その量は月間数十トンに及びます。
廃棄されているこれらは水揚げから-60℃で保存されたままですので、鮮度に何ら問題はありません。
血合いは心臓に近い筋肉量が高い部位でよく動きますし栄養価の高い部位なのですが、黒に近い赤い見た目のため通常の食品としては敬遠されてしまいます。
これらを本プロジェクトでは廃棄品ではなく食品ロスとして考え、有名シェフとともにメニュー開発を行うことで、料理としてよみがえらせ、新感覚の味わいや希少部位としてお楽しみいただけるように日々取り組んでおります。
例えば骨はラーメンの出汁、血合いは竜田揚げ、唐揚げにするなど食品としての可能性を模索しております。
水産資源を守る取り組み
キセキのマグロが取り扱う遠洋漁業の冷凍マグロは、延縄漁により遠洋で捕獲されています。
延縄漁は魚体が傷つきにくく狙った魚をピンポイントで釣り上げる事ができ、漁獲量をコントロールしやすいメリットがあります。
一方で、沿岸漁業でポピュラーなまき網漁は多くの魚が獲れる反面、網の中で暴れることで傷ついたり酸欠になって鮮度が落ちやすいこと、乱獲してしまうリスクがあります。
近年ではマグロは絶滅危惧種として取り上げられるものがあり、減り続けると捕獲が禁止される恐れがあります。
一般的に水産資源は自然に増えていく資源です。水産資源を守るために大切なことは、適切な量を捕獲し、適切な量を残すこと。
キセキのマグロの認知を増やし皆様の身近な存在になることが、資源を守り、漁業を守り、先人たちが残してきた食文化を後世に残すために必要なことだと考えています。